春婦伝(鈴木清順)春婦伝(Story of Prostitute)鈴木清順監督(1965年) 野上由美子・川地民夫主演 鈴木清順が日活にいたときの作品。 当時清順はB級映画監督として、B級の役者を使って出来合いの脚本と撮る、という仕事をしていたらしいが、これがB級と称されるとは当時の日本映画の質の高さがしのばれる。 確かに撮り方、特にカッティングの仕方などは、実験的というか、投げやりというか、観にくい部分もあったけれども、それにしても久々に、直球で、感動した。 第二次大戦中の中国の奥地で慰安婦をしている日本人女性の話。当時の作品ゆえ、慰安婦や兵隊の生態がリアル。根底のテーマは反戦なんだろうが、それよりも何よりも、主人公春美の生き様がすごい。 大げさなようだけれど、 これが生きるということだ! これが女が生きるということだぁぁ!! と、思ってしまった。 まあ、主人公死ぬんだけど。 でもその死ぬときもすごい。 確かに死ぬしかないだろう! という感じ。 と同時に、最後の韓国人慰安婦の言葉が重い。 「死ぬのはずるい。」 感動とは別にして、この映画を観ると1960年代の韓国や中国の捉え方って、また違っていたんだなあというのが分かる。 フツーに韓国人慰安婦の(話の分かる)おばちゃんが出てきたり、 八路軍のこととか。 今だったらあまりにも問題で触れられない~…。 今問題となっているようなことも、過去の事実は過去にただあっただけで、 歴史というのはほんとうにただの捉え方なんだなあ。などと思ったり。 ところでこの映画、gooで検索したら風俗モノと出てきた。ひえぇ |